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記者紹介

吉崎 亮介

株式会社Carat 最高執行責任者 舞鶴高専専攻科、京都大学大学院 情報学研究科修了。CEDEC2016登壇。学生時代に3つの研究室を渡り歩き、画像処理、音声解析、制御工学、ロボット工学、進化型計算、機械学習を専攻。応用事例を踏まえ、機械学習とその魅力を配信します。

大人になると、食事の際に欠かせない存在。
それがワインです。※ ビール派の人すいません。

ワインは収穫後に樽の中で熟成に入り、数年、長いものであれば数十年熟成されてから飲まれます。

数十年熟成させてから飲んだ結果、元が美味しくないワインであった場合、非常に期待はずれですよね。
もし、収穫前の情報からそのワインの品質を予測することができれば、ワインの輸入業者達はたくさんのメリットがあります。

果たして、ワインの品質は予測できるのでしょうか。

アッフェンフェルターの方程式

アッシェンフェルター氏が提唱したワインの品質を評価する公式です。

アッシェンフェルター氏が提唱するまでは、毎年品評会でワインの評価を行っていました。
ここで、これから機械学習をビジネスに応用しようとされている方々が絶対に直面する問題が当時のここでも起きていました。
「ワインは飲んで初めてわかるもの。品質を予測できるはずがない」
そうです。
職人の世界はこのように、人間の経験と勘で測ってきたものは、予測などできるはずがないという意見が大多数になります。

当時のアッシェンフェルター氏も同じように、「できるはずがない」と言われながら、統計的なアプローチによって、なんとかワインの品質を予測できないかと試行錯誤していました。

そして、そのアッシェンフェルター氏がたどり着いたのが、この方程式です。

もちろん、この方程式によって非常に精度が高く予測できているかという点では未だに疑問が残るのですが、一種の指標ができたことに間違いはありません。
そして、この方程式はワインにとどまらず、農業の分野を機械学習のような統計的なアプローチにより、大きく変化させられることを示唆しています。

どうでしょうか。
ワインひとつをとっても、非常に興味深い話ではないでしょうか。

アッシェンフェルターの方程式に対する妥当性をなぜ誰も断言しきれないのか

なぜ、未だに疑問が残ったままで、この方程式の妥当性を検証できないのでしょうか。
この問題も機械学習を現場に応用する際に発生する問題と同じです。
それは『ワインの品質』を絶対的に定量評価(数値で計測)する方法がないためです。

ビジネスの世界においても、「会社の認知度を高めたい」のように、一見具体的に見えますが、施策を評価する際にどのようにして計測すれば正解であるかがわからないことがあります。
これと『ワインの品質』も同じだといえます。
タンニンの量なのか、アルコールの度数なのか、はたまた香りの官能評価なのか。
この点が決まらない以上、アッシェンフェルターの方程式の妥当性を検証することは困難であるといえます。
ビジネスの世界で、機械学習を利用した分析をされる場合は、まずゴールとして評価するための指標決めをしっかりと意識できると良いと思います。
そのあたりは、こちらの記事で野球に例えてお話しておりますので、ぜひご覧ください。

まとめ

ワインにも昔から応用されているデータ解析技術。
コンピュータの進歩により、これから更に応用しやすくなり、農業分野への進出もさらに広がると考えられます。
『最適な成長のタイミングで収穫』といった農業も非常に興味深いですね。