佐藤亮介

記者紹介

佐藤亮介

京都大学大学院情報学研究科所属の修士1年生 大阪生まれ大阪育ち。大阪大学応用理工学科を卒業後、よりハイレベルな環境でデータ解析を学ぶため京都大学へ進学。現在は、製造業を対象としたデータ解析に勤しむ。今更ながら英語の必要性に気付き、格闘する毎日を送っている。

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前回の記事では、機械学習のメリットを実感していただくために、工場の生産ラインを例についてお話しました。

今回は、機械学習をもっと身近に感じていただくため、製造業のビジネスにおける導入例をご紹介します。
数ある製造業の中でも、みなさんに非常に馴染みのある食品業界を取り上げます。

機械学習技術が食品業界へ

2016年10月25日、『ブレインパッド、キユーピーの食品工場における不良品の検知をディープラーニングによる画像解析で支援』との発表がありました。

今回の主役は、この記事で取り上げられているマヨネーズでおなじみのキユーピーと、これまで様々な企業にデータ活用のノウハウを提供してきたブレインパッドです。
※ ちょっとしたトリビアですが、キューピーではなく、正式名称はキユーピーなのです。

ディープラーニングとは

ディープラーニング(深層学習)は機械学習の一種であり、音声認識や画像認識の分野において従来の手法を大幅に上回る性能を実現したことで、大きな注目を集めています。
詳しくはこちらをご覧ください。

何ができるようになるの?

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一言で言うならば、『不良品の検知』です。
食品メーカーにとって、一番大事な安心・安全を第一に提供するためには、異物混入商品をはじめとする不良品の検知は不可欠です。

では、どうやって実現するのでしょうか。
まず、製造ラインに流れる食品を撮影した動画を記録しておき、その動画内の食品に対して、正常と異常のラベル付けを行います。
ここは、泥臭いのですが、人力の作業になります。
そして、そのラベル付けしたデータに対して、ディープラーニングを適用し、不良品判定のためのモデルを作成します。

そのモデルをもとに、製造ラインにおいて、新たに流れてきた食品が不良品であるかどうかを判定します。
なぜ、ディープラーニングが使われるかというと、画像認識がディープラーニングの得意分野だからです。

この一連の技術をキユーピーに対して支援するのがブレインパッドです。

今はどうやって検知してるの?

現在は、従業員による目視にて不良品の検知を行っています。
この現状をディープラーニングをはじめとした機械学習技術を用いることで、以下の2点のメリットがあります。

  • コスト削減
  • 不良品検知の精度向上

1点目のコスト削減に関して、人件費は製造業では比重の大きなコストであり、これを削減することができれば、利益率を大幅に高めることができます。

また、2点目の不良品検知の精度向上に関しては、人間にも見分けられなかったところをディープラーニングでは発見できるといった例がよくあるぐらいです。
また、人間は集中力が作業時間とともに下がっていきますが、機械は集中力が下がりません。
それどころか、時間が経過するほど学習を続けていき、不良品の検出率が向上するくらいですので、非常に頼もしいものです。

おわりに

食の安心・安全へ貢献するディープラーニング。
食品産業への革命をもたらす日も近いのではないでしょうか。

このように、機械学習の事例を知ることで、徐々に使い道が見えてくるのではないでしょうか。
身の回りの仕事に対して、機械学習により改善できる部分をぜひ探してみてください。