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記者紹介

吉崎 亮介

株式会社Carat 最高執行責任者 舞鶴高専専攻科、京都大学大学院 情報学研究科修了。CEDEC2016登壇。学生時代に3つの研究室を渡り歩き、画像処理、音声解析、制御工学、ロボット工学、進化型計算、機械学習を専攻。応用事例を踏まえ、機械学習とその魅力を配信します。

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機械学習では、過去のデータを元に、新しいデータに対して、識別や予測ができることを以前紹介しました。

機械学習は非常に便利であり、ビジネスに直結するイメージが湧きやすい方だと思います。
しかし、ビジネスで使用する際に機械学習だけを勉強しても、全く使うことができません。

なぜこのような事態になってしまうのか、今回は野球で例えながら解説します。

3つの視点

機械学習を踏まえたビジネスを野球で例えるため、3つの視点を紹介します。
選手スコアラー監督です。

選手【システム】

9対9で対戦を行う人たちですが、予測を行いたいシステムに相当します。
システムという表現が難しいかも知れませんが、次の章で詳しく説明します。

スコアラー【記録】

野球の試合の結果を記録する人です。
このスコアラーが記録することにより、野球の試合の実績を誰が読んでも分かるようになります。

監督【解析】

どのような人選を行うべきかを考える立場の人たちです。
選手の選択や指示出しを行います。

機械学習と野球と各業界の対応関係

さきほどの野球の例で出てきた視点は、ビジネスの世界とどう対応するかを見ていきましょう。

【機械学習】
入力 → システム → 出力

【野球】
監督が指示を出す → 選手が行動する → 勝敗が決まる

【マーケティング】
広告を打つ → 消費者が購入する → 売上が決まる

【医療】
薬を投与する → 患者の体の中で作用する → 症状が変化する

【製造業】
製造条件を決める → 生産ラインで製造される → 製品の品質やコストが決まる

野球選手をどう選択していくかが非常に重要であり、勝利への確率を高めることが今回のゴールとなります。

スコアラーの存在が『鍵』

上記のようなシステムを見ると、監督が機械学習を勉強して活用すれば、非常に優れたチームを構築できる気がします。
しかし、ここで、大事なことを見逃しています。
そもそも、監督はどのような情報を元に解析の作業を行うのでしょうか。
なんとなく試合の雰囲気だけみて、選手を選ぶことはできません。

そのために、野球とはどのようなルールで、どのように数値をスコアブックに記載するかを知っている人が必要となります。
このスコアラーなくして解析はできません。

『機械学習だけ勉強してもダメな理由』は、現場の知見をスコアブックに記載できるスコアラーが必要だからです。

まとめ

現場で活躍できる人は『スコアラー 兼 監督』

解析を行いたいシステムの中から測定できる数値を記録する『スコアラー』と、その貯めたデータを解析して活用する『監督』
この二者が相まって初めてデータは価値を発揮できます。

機械学習を勉強することは非常に大事ですが、まず、これから解析しようとするシステムを『スコアラー』目線でスコアブックに落とし込むことができるか考えてみましょう。
もしスコアブックに落とし込むことができるならば、機械学習を学び、データを解析し、大きな成果へと繋げていけるでしょう。